眺めの良い部屋
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マウイ島で子育てしながら感じることを気ままに書いています。

by aroomwithaview
授業参観
先日、授業参観に行ってきた。
下の娘はマウイよりも先に、日本で1年生になった。
上の娘は4年生。

ごくごく普通の授業参観であることを疑うこともなく
1年1組の教室へ入った。初めて会うお母さんたちに会釈をして
軽く会話をしながら娘をみていた。

なんか・・・違う・・・

30数名の生徒のうち、娘の机の上には何もない。
おはじきが数個転がっていただけ。
他の子達は数学の教科書とノートと鉛筆・おはじきがあり、
先生の質問に答えたり、書き込んだり忙しそうにしている。
もちろん、娘にも教材は全てそろえてある。

娘はわたしを見つけると、真後ろを向きっぱなしで笑顔でうれしそう。

声を出さずに、娘に“前を向くんだよ”と口パクとジェスチャーで
伝えてみると、すんなり先生の方に向きを正す。

が・・・どうやら、やる気がないらしい。
おはじきは数学の問題を解くのに使われていたが、
娘はおはじきを積み重ねて遊んでいた。

ママがいるからなのかと思い、4年生の娘のクラスへ移動した。
こちらでは、ごく普通に上の娘の音楽の授業を参観することができた。
上の娘は、とても頑張り屋で負けず嫌い。
日本語の読み書きは無理かと思っていたのに、最近、お気に入りの
本をみつけ、シリーズで読みまくっている。

こっそり1年生の教室に戻ってみると、
今度は、な・なんと、娘がいない!!!

(どこへ行ったの!?)

ドキドキしながらクラスを覗き込むと、
クラス図書から絵本を選ぶため席をはずしている娘を発見!

もちろん、数学の授業は続行中で・・・
娘以外、教室をウロウロしている子はいなかった。

娘は好きな絵本を選び、席につき、読み終わると(正確には絵をみている)
もとに戻し、他の絵本を選びふたたび席に戻る・・・を繰り返していた。

(ひぇ~)

授業参観が終わり、担任の先生とお話をした。
この先生には上の娘が1年生のときもお世話になっている。

“正直、驚きました”
と言うわたしに

“正直、わたしも驚いています”
と先生・・・

(ドテッとくずれそうになる)

人の気持ちに敏感に気がつき、助けてあげることが好きな娘だけど
人から自分がどう思われているかに関しては、わりと無関心。
これは上の娘と反対なところ。
先生も同感らしく、ふたりで笑ってしまった。

楽しく学校へ通えることが一番ですからと言ってくれる先生で
ほんと助かっている。

でも・・・驚いた・・・



家に戻った娘に学校のことを質問してみた。
あまりまともな答えは返ってこない。
しばらくすると、泣き出した。

“ずっと座ってばかりで、外で遊んでいない”

そう言って泣いている。

“夕飯まで、遊んでおいで”

宿題は後回しにした。
外へ駆け出した娘は、今度は芝生の上にうつぶせになって大声で泣いている。

そばに行くと

“ママのそばにいたい”
と抱きついてきた。

しばらく泣かせたままですわりこんでいた。

“青虫くん、さなぎになったかどうか見にいこうか?”

そう言うと、最近観察を続けている大きな青虫を思い出したようで
呼吸がおだやかになっていくのがわかった。

青虫くんは見つからなかった。

ついさっきまでは驚いたなんて言っていたけれど
ちょっと反省した。

娘は娘なりに新しい環境で一生懸命なのだと思った。

“ずっと座ってばかりで・・・”
その言葉が頭からはなれなかった。
日本の学校で、体を動かす時間が激減したことを知った。
真っ黒な靴下と爪の汚れを思い出した。
そういえば、最近、洗濯が楽になっていた。
洋服も体もきれいな日々が続いていた。

どうしてマウイの学校を選んだのかも思い出した。
初心・・・忘れかけていたことを思い出させる一日だった。
by aroomwithaview | 2008-07-06 13:29 | 子育て